42.195kmという過酷な距離

昨日の女子マラソン。福士選手は本当に辛かっただろうと思います。管理人も中学〜高校と陸上部で長距離をやっておりました。中学の頃は3000m。高校に入って800m転向したのですが、スピード力が無くて5000m〜10000mを走っておりました。3年間毎日トレーニングを積んで高校卒業の記念にフルマラソンに出場した事があります。
大会は「つくばマラソン」部員や先生には言わず一人でのこっそりエントリーでした。なぜなら完走できなかった時は情け無いので・・・(^^;)一応親には話しておきましたが、「そっか頑張れ」という返事だったように思います。とりあえず無理しないで完走を目的に走ろう。それだけを考えてペースをゆっくりゆっくりと自分に言い聞かせていた事は今でも記憶に残っています。
やはり毎日20kくらいは走っていたのでそれほど辛くなくて30kの給水所でも「こんなもんなんだ」と思っていました。しかし、状況が一変したのは35kの看板が見えてきた時です。「???あれ?」まっすぐ走れない。。。呼吸も乱れていないのに・・・苦しいとも感じないのに・・・体が言う事を聞かない。そんな今までに体験した事の無い状況でした。とにかく足が前に出ないんです。意識はしっかりしているつもりでもどうにもなりません。はっきり言って「恐怖」でした。
「もうやめよう。でもここまで走ってきてもったいない」その葛藤の中フラフラと歩いていたら、沿道応援の人が「これをなめろ!」「これを食べて頑張れ」と僕に近寄ってきて飴玉やチョコレートを渡してくれました。「あと7kなんだからがんばれ!」と励まされながら飴玉とチョコレートを口にしたとたん・・・全身に糖が染み渡っていくのを感じたんです。本当にフワーッと言う感じで指先まで血が流れていくのを感じるような。そんな不思議な感覚でした。「これもっていけ!」と沿道の人にいただいた飴玉の袋を握り締めてのラスト7k。すぐになくなる「糖」を飴玉で補給しながらの7k。はっきり言って「怖い」という思いしか残っていません。
トラックに戻って来たとき・・・大きな歓声が聞こえました。あそこがゴールか。やっとたどりついた。そんな思いで無意識に走っていたのだと思います。ゴールしてトラックに一礼し完走の喜びに浸る前に僕は近くにあったコンビニに飛び込んでおにぎりを5個買って一気に食べたのを記憶しています。その時はとにかくとにかくおなかが空いた。ただそれだけでした。体に蓄えられたエネルギーを全て使い果たすと言う事は早々出来る事ではありません。使い果たしてしまってはそれこそ命の危機でもあります。
常に走っている距離は体がそれに順応しているんですが、それ以上に負荷をかけると極限まで体を追い詰めてしまうんですね。意識では「まだいける」と思っていてもそれはどうにもならない事なんです。それは現実に体験したものでなくては具体的にはわからないこともあるかと思いますが、今回の福士選手を観ていてあの時の「恐怖」を思い起こさせられました。
今では・・・1kも(走破)はする事の出来ない管理人でした(^^;)