いじめの社会

なんという・・・ことだ。いじめで命を絶つ生徒たち。。。
今回の事件はショッキングとしか言いようが無い事件。教師が子供に対して暴言を吐きその末に自殺してしまった。
何でこんなことが起こるんだろう?命の大切さを教えるべき学校で子供を死に追いやる現実は信じたくない。
しかし、その報道を見ていてちょっと腑に落ちないことがある。事実かどうかは別にして先生がその子供を死に追いやった加害者であるというスタンスの報道。
確かに無くされた遺族の怒号の映像を見れば「間違いない。あいつが悪い」と思ってしまう。
ましてや、その事実を2転3転する教育委員会も問題だ。
しかし、あのような事態中で冷静に現実を受け止めて当たり障りの無い対応をしていたらあの校長先生は今のように叩かれなかったのだろうか?
僕は報道を見るたびに心配になる。それは「あの中学校の在校生」たちの心に傷をつけないかと言うこと。
膨大なマスメディア。ネットや新聞で叩かれまくる自校の先生。その先生を信じるしかない今の生徒たちはどんな思いでいるのだろうか?
いじめは悪!正義の味方を気取ったマスメディアがここぞとばかりによってたかって批判し罵倒する映像を見ながら・・・それこそがいじめの現況だ!と言いたくなる。
ほんの当たり障りの無い事実を5分や10分で流し、それに対してコメントをし、結論付ける。
確かにそうしなければ視聴率は取れないし、何のための報道だ?となるだろう。
でも、でもね。それだけでいいんだろうか?他へのフォローはしなくていいんだろうか?
いじめに関わっていない生徒たちまで一くくりにして批判と報道を繰り返していいのだろうか?
以前に「東横イン」の社長が叩かれまくっていたときにも同じ思いを持ったし、それもこのブログに書いたと思う。
今流れている映像こそが僕はいじめであると思う。
ひとつ階段を踏み外した「権力の無い悪者」は徹底的に、徹底的に叩かれる。
その回りのことなど全くお構い無し。傷つこうが泣こうが苦しもうがお構い無しだ。
校長先生は学校を代表する責任者。その下にはいじめをした生徒もいる。しかしその反面優しくすくすくと育っている子供がいると言うことを忘れてはならない。
ひとつの命が散ってしまった現実は悲しくてたまらない。僕自身子供の頃いじめにあったからその気持ちは多少なりともわかる。
そのとき思ったことだが、いじめっ子が強くていじめられっこが弱い。それはイコールいじめっ子が正しくていじめられっこは間違い。ということ。
強いものが正しくて弱いものが悪いという風習は今でも大人社会でも延々と続いている。
いじめることは悪だ!と口に出しては言うもののそれは全く違うと感じる。
少なくとも僕がいじめにあったときはそうだった。
弱いものは強くならなくちゃ駄目だ!と教えられ僕は乱暴になった。みさかいなく喧嘩をした時期があった。
そうなったらとたんに友達が増えた。・・・その時は本当に不思議な気持ちになった。
こうして社会に出てみると「いじめ」という現実は大人社会に蔓延している。特に金が絡むと権力といじめが付きまとうから始末に置けない。
間違ったことを間違いだ!と言える人間って素晴らしいと思うけど、それを言わずに上手に生きていく人間が成功する。綺麗ごとだけでは生きていけない。しかし、せめて子供の頃だけは綺麗事で過ごさせてあげたい。

馴れ合い型の学級崩壊が進んでいると聞いた。一体先生はどんな態度をして生徒の前に立つのだろう?怒る事もできず、殴ることもできず、子供のご機嫌を伺っていたのでは教育どころではないと思う。そうしてしまった我々親も反省すべきであるが、今のような教育体制にしてしまった国の責任を問うてみたい。愛国だのヘッタクレだのいう前に、やるべきことはたくさんある。報告だの対応策だのと下らんことを言う前に現場に立って問題点を自ら上げてみろ。

権力・職責をかさに、目下の者を見下す態度をとっているのは誰だ?
自分に責任が及ぶとなると逃げ出し、目下の者にそれを擦り付けようとしているのは誰だ?
矢面に立つ人間ばかり批判・罵倒されてそれを救おうとしない人間は誰だ?
教育の現場に立たずして保身のために駆けずり回っている役人はたくさんいるだろう。それが仕事なのだから僕は悪いとは思わない。しかし、今の現実から三輪中学校の生徒たちを少しだけでもかばってあげる人がいてもいいのではないだろうか?

話が脱線してしまったが、今回の「教師のいじめ」が本当であれば絶対に許すことはできない。ベテランゆえにしっかりした人間関係が作ることができなかったのだと思う。強い言葉でしかった後は必ずフォローすべきだ。僕もそうして育てられてきた。

時に友達のように接してくれる厳しい先生は大好きだった。
低学年のときにいじめから脱出するために「強くなれ」と助言してくれたのも・・・その先生だった。
しかし、一番難しいのは「自分に勝つことだよ」と教えてくれたのもその先生だった。
松崎校長は本当に立派な人だった。

どうか三輪中学校の生徒の皆さんが大人の情報にどうか傷つかないように。
そして自ら命を絶った少年のご冥福を心からお祈り申し上げます。